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道幅4メートルの路地を入った数軒目にS邸があります。近隣とは異彩を放つ直線的なコンクリート打ち放しの外壁……。
「とにかく個性的な家にしたかったんですよ。」
施主のSさんは、笑顔を浮かべながら、今回の家づくりについて語ってくれました。
ここの土地は、もともと全4世帯の小さなアパートがあり、そこにSさん夫妻も住んでいました。そのアパートはご主人の父親がオーナーでしたが、子どもが生まれて手狭になったのがきっかけで、土地を譲り受け、建て替えることを計画。たまたま訪ねた大勝建設のデザイナーズハウスというモデルルーム展示場。提携している建築家の資料集をめくっていたところ、TAU建築工房のページに興味を持たれたそうです。
「実際、まだお施主ご自身、どのような家に住みたいのか、漠然とされていたようです。」と、最初の出会いを振りかえるTAU設計工房の建築家・小林敏也氏。
「以前手掛けた住まいのひとつへ見学に誘ったところ、たいへん気に入っていただき、それが正式なオファーの決め手になりました。」
そこの螺旋階段にSさんはひと目ぼれしたといいます。
2週間後に基本プランがあがってきました。家のまん中に吹き抜けの螺旋階段があり、その両翼に部屋を設けた3階建て。小林氏によると、家全体が大きなツリーのイメージで、あたかも螺旋階段がその幹のようです。また3階建てでありながら、まるでひとつの部屋のように、家族の気配を感じられるのも特長です。
外観や玄関に使われている打ち放しは、Sさんのこだわりの表れ。土木の仕事をされていて、コンクリートの質感に愛着があるそうです。玄関に入ると、正面には螺旋階段があり、左手にインナーガレージ、右手に納戸スペースと予備室。趣味が車いじりで、設計プランをお願いするときに、まずはガレージの話からスタートしたほどの入れ込みようです。前庭と玄関の床仕上げは、道路から連続する露地空間をイメージし、黒い天然石で統一。大きなガラス窓で、出入りのたびに、中の様子を確認できます。
さて2階に上がると、玄関とはうって変わって白い壁の世界に。階段の正面には、中庭テラスを設けていて、その両翼が対になったコートハウスです。明るい日差しが、どの部屋にも燦々と注いでいます。ダイニングキッチンから、窓越しにリビングが見え、台所仕事をしながら、2階すべてが見渡せます。また、天井の一部が採光用に吹き抜けになっているので、3階の気配も感じられると奥様。中庭のルーバーによって、外の気配を感じつつも、しっかりとプライバシーを守っています。
「ルーバーはデザイン的に面白いと思っていましたが、実際に住んでみると、機能面など、役立っていることに驚きです。やはり道幅が狭いので、お向かいさんも気になりますし。」
とにこやかに話すSさん。
建築家のさりげない仕掛けよって、デザイン性と機能性が両立。ご主人の好みや趣味を取り入れ、さらに子育て真っ最中の奥様も安心の間取りです。家族の気配を感じられる暖かい暮らしが、これからも続くことでしょう。
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