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K邸は、細い路地が続く住宅街の一角にあり、目の前に桜山がそびえ、春には美しい景観。この界隈は昭和初期、東京の保養地として別邸が並んでいました。2006年に新築されたK邸も、それ以前は、昭和7年に建てられた古い趣の木造住宅。
「本当は建て替えではなく、リフォームにしたかったんですけれど、土台を検査してもらったら、かなり痛んでいて危険と言われ……。それで新築にしました。」とかつての住宅に愛着を持っていた奥様。
28年前、Kさん夫妻は、仕事の都合でパリに数年暮らし、帰国後、ここを賃借されました。フランス人が古いものを大切にする暮らしぶりに共鳴し、アンティーク好きになったそうです。
その後、家主さんから購入され、2004年、ライフスタイルに合わせたリフォームを予定。ところが検査の結果、新築に方針転換となったのです。
古いものを大切にされるKさん夫妻は、エコロジーにも興味があり、ちょうど近くでエコハウスの施工現場を訪ねました。ビルダーのBubbさんに出会い意気投合。その紹介で建築家・清水勝広さんに設計をお願いすることに。
打ち合わせを重ね、2005年の初夏に最初の設計プラン。外壁にレッドシダーを使ったL字型の家です。1階に生活動線を集中させ、寝室、LDKやバス・トイレなどの水まわり。2階はご主人の書斎とゲストルーム、そして集中収納が可能なスペース。
窓が多く、ダイニングの吹き抜け天井など、光と風通しが実現されています。また来客が多く、ゲストの皆さんがくつろげる空間もかなえられたと、奥様は当時を振り返ります。
「旧宅の面影を感じられるよう、古い部材を新居でも生かしてほしいとの要望がありました。昭和初期の古風なすりガラスなど、家全体に馴染むような内装デザインを心掛けました。」と建築家。
旧宅のレトロなガラスと、新しいラワンベニヤや漆喰の壁、さらにむき出しの梁とが、見事に調和しています。またガラスの独特な透かし具合も、空間の豊かさをアップ。
太陽光発電やオール電化など、最新の設備を整え、自然素材や昭和初期のマテリアルとの融合です。
新築なのに、どこか懐かしさを醸し出すたたずまい。きっと将来に渡っても、施主のKさん夫妻は、この家を大切に住み継がれていくことでしょう。
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